登山には行ってもロープを使うようなクライミングにはほとんど縁がありませんでした。
でも、新谷（暁生）さんの影響からシーカヤックでもある程度は必要だと考えるようになりました。
そのことをいつもの仲間の上野さん（くまのエクスペリエンス）と話していたところ、先日教わる機会を作ってもらいました。
まず、現場であらためて道具類を眺めて興奮しました。

今回教えて下さったのは上野さんのお仲間の山田さん（熊野在住）です。
はじめは車の来ない道路際のゆるい斜面で基礎的な道具の使い方と懸垂下降などの
技術を習いました。
興味は十分ありながらも、高い所が苦手な僕としては、実はそれだけで十分でした。
「それじゃ僕はまた機会を見つけて練習しますので、後はおふたりで気にせず遊んでください」
と言ったのですが、そうはさせてもらえませんでした。

少し移動して連れて行かれた場所は300m以上の崖の上でした。
覚えた懸垂下降をそこでやってみましょうとのことです。
「道具に対する信頼感を身体で覚えてほしい」というのが山田さんの言葉でした。
場所を選んだので、万が一失敗しても300m落ちるわけではありませんでしたが、
それでも見た目には僕には十分でした。
いくつも逃げる理由を考えましたが、それでは二人に申し訳ないので、
開き直ってやってみることにしました。
思っていたよりも冷静になれました。以前では考えられなかったことです。
きちんとした道具を使っているからというのもあるし、
残りの人生が短くなったからというのもあります。
熊野の自然の中で実に役にことを教わって、いい日でした。
来るときとは違った自分を実感しながら、気分よく家に帰りました。
ところが、自宅の近くでドアミラーをぶつけて割ってしまいました。
この１年以内に同じミラーを替えたばかりです。
でも、それを差し引いてもいい日でした。
山田さんにはシーカヤックの方で近いうちにお返しをしたいと思います。
上野さんのブログもぜひご覧ください。